確定申告に強い千葉県市川市の税理士が教える

損をしない確定申告
(不動産所得の収入・経費の計上時期)

不動産所得に関する確定申告で、質問をよく受ける売上の計上時期(収入時期)について、詳しく説明します。

収入の計上時期

不動産の収入は家賃や地代、更新料などがありますが、これらは不動産所得の総収入金額に算入することになります。その計上時期は契約内容によって、次に分けられます。

契約や慣習などにより支払日が定められている場合

賃貸借契約を締結してる場合にはそ定められている支払日が計上日です。契約がない場合にあっても慣習上定まっている場合にその日が収入の計上日になります。

契約や慣習などにより支払日が定められていない場合

上記の契約がなく、慣習においても定まっていない場合には実際に支払いを受けた日が計上日になります

なお、請求があったときに支払うときにはその請求の日が収入の計上日です

賃貸借契約の存否の係争等(※)に係る判決、和解等により不動産の所有者等が受け取ることとなった場合

賃貸契約で裁判などが合った場合にはその判決又は和解等があった日が収入の計上日になります。

ただ未払いの賃料の請求に関する係争は除かれます。

上記記載以外の場合

賃貸することで一時的に得る権利金や礼金、更新料などがあります。

これらは、

  • 資産の引き渡しが必要なもの:引き渡しがあった日
  • 資産の引き渡しが必要ないもの:契約の効力が発生した日

敷金や保証金は本来は預り金ですから、受け取っても収入にはなりません。

返還を要しないものは、返還を要しないことが確定した日にその金額を収入に計上します。

必要経費の算入時期

  1. 不動産所得で経費になるものは、収入を得るために直接かつ必要な費用のうち家事上の経費と明確に区分できるものです。主なものは以下に上げるものです
    • 減価償却費
    • 修繕費
    • 固定資産税
    • 損害保険料
  2. 算入時期の原則
    • その年(1月から12月)に債務が確定したものが対象となります。
    • その年に債務が確定しても支払っていないものは経費計上できます!
    • その年に支払っていても前年以前に債務が確定したものは経費計上はできません。
  3. 債務が確定しているとは何!?
    • 債務が成立していること
    • その債務に基づいて給付をすべき原因となる事実が発生していること
    • 金額が合理的に裁定できること
  4. 注意点・留意点
  • 当然に事業に関係がない家事費用は経費にはなりません。ただ不動産所得を得るための経費としては事業と家事(プライベート)の両方にかかるものがあります。
  • 具体的には店舗併用住宅にかかるものです。その中で業務遂行上、直接必要であったことが明らかに区分できるものに限られます。
  • 必要経費にならないものとして以下が挙げられます
    • 配偶者や親族で生計を一にする者に支払う家賃などは必要経費になりません。受取った人も所得になりません。
    • 例えば子どもが父(同一生計)から業務のために借りた土地・建物に課される固定資産税等の費用は子どもが営む業務の必要経費になります。
    • 原則、同一生計の配偶者その他の親族に支払う給与賃金は必要経費になりません。
    • 業務用資産の購入のための借入金など、業務のための借入金の利息は必要経費になります
    • 金融機関への利息の支払は経費になります。ただし、不動産所得の金額が損失(赤字)となった場合には、土地に関するものはその負債の利子の額に相当する部分の損失の額は生じなかったものとみなされ、他の所得金額との損益通算はできません。
    • 業務用資産の取壊し、除却、滅失の損失及び業務用資産の修繕に要した費用は、一定の場合を除き必要経費になります。
    • 事業税は全額必要経費になります
    • 所得税や住民税は必要経費になりません。
    • 罰金、科料及び過料などは必要経費になりません。
    • 公務員に対する賄賂などについては必要経費になりません。

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※ 本内容は掲載時の法令等に基づき記載しています。法令改正等で変更になっていることもありますので、最寄りの税務署又は税理士に確認して下さい。本内容に関する責任は一切負いかねます。

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