決算直前になると来期分の経費を今期に計上したい、などと考える方はいるかと思います。
毎月支払っているものでしたら、前払いしたほうがいいですよね。
ただ、落とし穴もあります。法人税法では明確に基準を決めていますので理解したうえで、節税を行いましょう!
法人が、前払費用の額で、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、前払費用にかかわらず、その支払時点で損金の額に算入することが認められます。
ただし、借入金を預金、有価証券などに運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、たとえ1年以内の短期前払費用であっても、支払時点で損金の額に算入することは認められませんので注意が必要です。
(参考)法人税基本通達2-2-14 短期の前払費用
以下の6つの要件に該当する必要がありますので、注意が必要です。
契約において、年払いにしなければなりません。契約で月単位の支払いになっているのに、勝手に年単位で支払っても、認められませんので、注意が必要です。
当事者間の契約により、法人税基本通達2-2-14((短期の前払費用))を適用し、その支払額の全額をその支払った日の属する事業年度において損金の額に算入できます
ただし、例えば3月決算の法人で、期間10年の建物賃借に係る賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月)を2月に前払により支払う場合には、適用を受けることができません
※ 本内容は掲載時の法令等に基づき記載しています。法令改正等で変更になっていることもありますので、最寄りの税務署又は税理士に確認して下さい。本内容に関する責任は一切負いかねます。