仕事の内容によっては出張が多い経営者がいると思います。
毎月20日以上出張をされて、ほとんど家に帰ってこれない、、、、という嘆きもいただきます。
出張に行ったら、必ずやらなければならないのが、出張精算書の作成です。
いつ、どこで、だれと会って、交通費がいくらかかったなどを、一覧表にして精算します。
業務(業務命令)で、合理的な経路で顧客や仕入先などに訪問するときにかかる交通費は原則すべて経費になります。みどりの窓口で購入しても、金券ショップで購入しても、経費になります。
顧客に手土産を持っていくときも経費になります。ただし、交際費となるため会社規模に応じて一定の制限があります。
また、"出張旅費規程"を定めることで手当を経費にできることができます。
もちろん全てが経費になるわけではありませんので間違いなく!!!
出張に関してはまずルールを決めることが大切です。
ご相談をされる中には、顧客や外注に訪問するときは全て出張と考えている方もいます。電車で一駅であっても出張と考えています。それは間違いです。当然ですよね。
どこまでが出張でどこまでが訪問までなどを明確に決める必要があります。
また手当を支払う場合には経費にすることもできます。
これを支払うことで「会社側」と「役員・従業員側」で節税のメリットがあります。
出張手当は、社会通念上、合理的な金額であれば、全額費用として計上することができます。
年間100日出張する人が、1日5,000円の手当を支給していたら、50万円が経費として計上することができます。
基本的に、役員・従業員が出張手当として受け取ったものは、税金は課されません。
税法上、所得税基本通達9-3(非課税とされる旅費の範囲)で、以下の基準が示されていますので、注意が必要です。
非課税とされる金品は、旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。
上記の通り、2つの基準で金額の多寡が決まります。
まずは社内での均衡です。出張者の役職によって手当が異なることは認められていますが、その差が大きい場合には否認されるリスクが大きくなります。社会通念で通常の差額を着けることをオススメしています。
また社外との均衡です。同種同規模の類似企業が支給している手当と同額になっているかです。同業他社の情報を納税者が得ることはできませんので社会通念の判断で行うことになります。
国家公務員の手当は公表されていますので参考にするのも一案です
出張旅費規程を作成する際には、以下の内容が記載されているか、確認が必要です。
一度決めたものを、コロコロ変えてはいけません。しっかり規定通りに運用をしましょう。
出張といっても、日帰りから泊りの出張があります。国内であれば、どこでも日帰りで出張ができる時代ですので、出張の定義を明確にする必要があります。
一般的に多いのが、勤務地からの距離で定めています。100kmや150kmなどを設定します。
実際的には新幹線や飛行機を使用している場合、高速道路を使用して1日の時間を要して外出している場合などは出張に該当するものと考えます
役職ごとに、明確な基準を決めなければなりません。
毎回変えていては、規定の意味をなさないですし、税務上も否認される可能性が高いです。
役職は、例えば役員・部長・課長・係長・一般社員とします。
グレードは、役員はグリーン車でもOKだとか、航空機ではビジネスもOKなどを決めます。
宿泊費を役職ごとに変えているいる企業もたくさんあります。
その中で、手当も決めます。
適正額の算定に困ったときには税理士や税務署に相談してください。
※ 本内容は掲載時の法令等に基づき記載しています。法令改正等で変更になっていることもありますので、最寄りの税務署又は税理士に確認して下さい。本内容に関する責任は一切負いかねます。