【調査】税務調査が来る確率は3.2％と判明

創業を予定している人や起業を目指している人から、聞かれるのが「税務調査ってきますか」という内容です。

実はその割合は公表されていますので、調査しました。

実調率とは、申告者に対する税務調査の件数の割合のことです。

具体的な計算式は以下です。

　実調率 ＝ 実地調査件数 ÷ 対象法人数、税額のある申告を行った納税者数

　（注１）「法人実調率」は、実地調査の件数を対象法人数で除したものです。

　（注２）「個人実調率」は、実地調査の件数を税額のある申告を行った納税者数で除したものです。

法人の場合、直近（平成28年）の実調率は、3.2%です。

平成元年が8.5%でしたので、約30年で、約4割の水準になっています。
3.2%というと単純に約30年に1度しか来ない計算になります。

なぜ、実調率が下がったかというと、法人設立の件数が急激に増えたためです。

平成元年の約1.3倍になっています。その一方で、国税庁の人数は約2%しか増えていません。

個人の場合には、直近（平成28年）の実調率は、1.1%です。

単純計算ですと、100年に1度しかありません。
平成元年が2.3％でしたので、約半分の水準になっています。

平成28年の場合、法人税の調査が97千社、法人消費税の調査が94千社ありました。

その差は、消費税を支払わない免税事業者が該当していると推察されますが、
そのような中小零細企業（売上が1000万円以下程度）にも、税務調査が行われています。

さらに、同年で所得税の調査が70千社、個人事業者消費税の調査が37千社となっています。

同様に、小規模な個人事業主（売上1000万円以下程度）への調査は33千社もあります。

個人で事業を行っていて、売上が少ないから大丈夫と思っている人が、実は税務調査の対象となっています。

適正・公正な課税を促進するために、国税が課税を強化しているのが、以下の３点です。

特に消費税の不正還付は強化されています。

消費税還付申告法人に対する調査は毎年7千社程度ですが、平成28年は平成26年比べ、3倍以上が追徴課税されています（77億円→296億円）。

また、その中で不正計算となっているのが、約12倍（11億円→128億円）となっています。

これからも、強化が続きますので、しっかしとした納税が必要になります。

※　本内容は掲載時の法令等に基づき記載しています。法令改正等で変更になっていることもありますので、最寄りの税務署又は税理士に確認して下さい。本内容に関する責任は一切負いかねます。